ハンドヘルド型レーザースキャナーとは

計測者が機器を持ち断面又は全周囲を計測するレーザースキャナーです。
UAVレーザーや地上レーザー、MMSによる測量では死角になる箇所や、点密度が不足する箇所の補完的なデータ取得に役立ちます。

GNSSが届かない場所の計測

歩道など車両が入れない場所の計測

FLIGHTS SCAN HANDY取得データ例

構造物を細部まで再現・計測者が歩いて回れる場所なら死角も最小限に

  • 屋内(GNSS非環境下)でも細部まで再現

  • 4~5階建て未満の外観なら測定距離を意識せずに計測可能

GNSS環境/非環境に関わらず段差ズレなどを起こさず点群生成可能

FLIGHTS SCAN HANDYの特徴

3つの強み

お求めになりやすい価格

現在流通しているハンドヘルド型レーザースキャナーでは、中価格帯のドローン搭載型LiDARや地上レーザーと同程度の価格帯のものが多い一方、FLIGHTS SCAN HANDYは、一般的な光波測量機器と同程度の価格でありながら高性能。価格の面でも「導入しやすく使いやすい製品」を実現しました。

成果品作成を難なく叶える高性能

測定距離

40m

ハンドヘルド型レーザースキャナーは補測が主な用途のため、比較的狭い範囲を計測することが多く、40mの測定距離があれば補測したいエリアを十分カバーできます。

精度

相対精度:2cm以下、絶対精度:5cm以下

低価格帯のハンドヘルド型レーザースキャナーとしては最高レベル※のスペックを有し、高い精度を実現します。

照射点数

200,000点/秒

正しく運用することで「LidarSLAM技術を用いた公共測量マニュアル」に目安として記載されている要求点密度を容易に満たせる点数です。

※ 2024年9月末時点、当社調べ。国内で流通する希望小売価格税別450万以下のハンドヘルド型レーザースキャナーが対象。

現場ファーストな使いやすさ

小型軽量で疲れない

バッテリー含め約1kg。高い可搬性により利用者の負荷を軽減します。

持ち運びやすい

小型GNSSモジュール標準搭載、グリップ部分がバッテリーなので、それぞれ本体とは別で持ち運ぶような煩わしさは不要です。

1人で使える

他の計測手法では2人以上の体制を要することが一般的ですが、1人で計測が可能です。

すぐに使いこなせる

ドローン搭載型LiDARにおける航空法のような知識は不要。三次元計測の経験者なら1日あれば習得可能なユーザビリティです。

便利な機能紹介

  • GCP登録

    GCP登録

    FLIGHTS SCAN HANDYで取得した補測データと本データとの位置合わせを行うためのGCP登録を容易に行えます。対空標識の中心などのGCPとして登録したい地点に台座を設置し、簡単なボタン操作により当該地点を登録、登録地点に専用ソフトウェア上で座標情報を付与します。

  • リアルタイムビューアー

    リアルタイムビューアー

    専用アプリを用いて、計測中の点群データをリアルタイムに3D表示することで、確実なデータ取得をサポートします。高度によるフィルタリングをすることが可能なので、建物内の点群取得状況の確認も容易です。

2種類の点群生成方法

GNSSを用いて計測する方法と、GNSSを用いずにSLAM解析のみで計測する方法、2種類の点群生成方法が利用できます。

  • 01

    GNSSを用いる方法

    UAV利用時と同じ方法です。GNSSデータを利用して位置情報を取得し、TightlyCoupled(最適軌跡解析)を併せることで点群を生成します。

  • 02

    SLAM解析のみの方法

    SLAM技術(レーザーの反射によって自己位置を推定する技術)を利用し位置情報を取得します。その情報を元に点群を生成します。

ワークフロー

1

イニシャライズ

本体ボタンまたは専用スマホアプリを用いてスタートし、ステータスが緑になるまで待機します。
イニシャライズに必要な待機時間は1分前後です。
2

計測

FLIGHTS SCAN HANDYを手に持って歩くだけで点群データを取得できます。バッテリー1本で約3時間の計測が可能です。

リアルタイムビューアー

付属の専用アプリでリアルタイムに点群データを確認しながら計測できます。

GCP登録

GCP登録機能を用いて、GCPとして登録したい任意の地点を登録します。

3

データ取込と点群生成

レーザーおよびカメラで取得したデータを付属の専用ソフトウェアへ一元取込、数ステップで点群モデルが生成されます。
生成した点群データはLasデータとして出力できます。

オプション

アクセサリ

通常の手持ちでは点群が取得しづらい場所でご利用いただくことで、計測をアシスト。 より精度の高いデータを安全に取得することが可能です。
  • 延長ポールセット

    HANDY 延長ポールセット

    ストックヤードの上面など、目線より高い場所の計測に有効

  • フロントパックキット

    HANDY フロントパックキット

    森林や斜面など、足元が不安定な場所で両手を空けて計測する場合に有効

※画像はイメージです。

VRSサービス

FLIGHTS SCAN HANDYでのRTK-SLAMの利用時に必要となるnanoSIMカード(4G対応、インターネット接続済み)を機器にセットした状態で納品することで、SIMカード選定の手間や通信設定の手続きを省略いただける、便利なオプショナルサービスです。
  • 本サービスのご利用には、LiDAR Care for HANDY対象機材のご購入と、LiDAR Care for HANDYのご契約が必要になります。
  • GNSS測位補正データ配信サービス(RTKサービス)提供プロバイダとの契約は、別途お客様ご自身でしていただく必要がございます。
  • インターネットへの接続状況は現場環境により異なります。全ての現場での安定したインターネット接続をお約束するものではございません。

LiDAR Care for HANDY

ハンドヘルド型レーザースキャナーの購入と同時に加入することで、万が一の際の、修理・交換がスムーズに。
ご利用中の各種事故によるセンサーやカメラの修理・交換や、その期間の代替機レンタルなど、他社と合同で利用する場合も含めた、運用にかかわる心配事に幅広く対応する、代替機レンタル / 修理・交換サービスです。

【修理・交換サービス】

  • 事故時の面倒な手続きなし ※1
  • 事故時の修理・交換が無料 ※2
  • 追加費用なしで代替機レンタル ※2
  • 指定期間内の申込で精度確認が無料 ※3

※1:一般的な動産保険と比較した場合。
※2:補償対象外の事故状況、破損状態の場合、有償対応となります。
※3:指定期間外の申込でも、有償にてご依頼を承ります。

【精度確認サービス】

公共測量

LidarSLAM機器精度・性能試験記録
(6ヶ月間有効)

i-Construction

精度確認試験結果報告書
(1年間有効)

公共測量およびi-Constructionでの利用時に求められる精度確認を実施し、必要となる各種証明書の発行が可能です。

※当サービスでは、事故による損傷が原因の場合に限り、修理・交換および代替機の貸与を行っております。
通常の故障や不具合が原因の場合には、修理・交換・代替機の貸与は承っておりませんので、あらかじめご了承ください。

スペック

寸法 L184mm × W115mm × H304mm
バッテリー 3350mAh
ストレージ 256GB [1]
ポート Type-C, TF Card
操作 App/ボタン
ハンドヘルド重量 1.0kg ( 土台とバッテリーを含む)
電圧 14.4V
保護等級 IP54
単一バッテリー稼働時間 180分 [2]
ファームウェアアップデート方法 OTA/Offline

[1] 256GB ( 基本仕様), 1TBまでの拡張に対応可能。
[2] GNSS の使用無し, カメラ録画無しの場合。

レーザー Mid360
スキャンレート 200,000点/秒
スキャン精度 2cm
波長 905nm
スキャン範囲 40m@10% 反射率, 70m@80% 反射率
FOV Horizontal 360°, Vertical -7°~52°
カメラ種類 LiCam
FOV 240°×143°
キャプチャーフレーム率 0~5 フレーム/秒 (調節可能)
解像度 3840×2160
画像フォーマット bin (解析前)/JPG (解析後)
マッピング原理 RTK-SLAM, PPK-SLAM, SLAM
リアルタイムカラー化 対応
リアルタイム処理 対応 対応
相対精度 ≤2cm
絶対精度 ≤5cm [3]
点群データフォーマット Las (リアルタイム処理), LiData (後処理)

[3] 標準的な精度フィールド、厳密に標準化された操作;スキャンされたシーン内の特徴点が多く、特徴の品質が良いほど、点群の精度が高くなります。推奨される操作方法に従って、高精度な点群の結果を取得することが推奨されています。

GNSSシステム 5つの衛星と14の周波数帯に対応
GPS:L1/L2/L5
GLO:L1/L2
BDS:B1I/B2I/B3I
GAL:E1/E5a/E5b
QZSS:L1/L2/L5
RTK精度 水平方向 0.8cm+1ppm, 垂直方向l 1.5cm+1ppm
RTKプロトコル NTRIP
ネットワーク通信 4Gグローバルパス [4]
寸法 L45mm×W45mm×H95mm
重量 119g
GNSS Raw データフォーマット:log
RTK データフォーマット rtk

[4] 対応周波数帯
LTE-FDD: B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B13/B18/B19/B20/B25/B26/B28
LTE-TDD: B38/B39/
B40/B41 UMTS: B1/B2/B4/B5/B6/B8/
B19 GSM: B2/B3/B5/

FLIGHTS SCAN 事業責任者からの言葉

なぜ今ハンドヘルドなのか

加塩博士

株式会社FLIGHTS/執行役員 加塩 博士(Kashio Hiroshi)

今後さらに一般化していくであろう三次元計測の現場では、近い将来、ドローンや地上レーザー、MMSといった広範囲向け測量機器とハンドヘルド型レーザースキャナーとの組み合わせが主流になっていくと私は考えています。まず三次元計測の一般化については、計測に携わる方でしたらどなたもおおむね異論がないと思います。「作業規定の準則」の一部改正にて、2020年には地上レーザー、2023年にはUAVレーザーや車載写真レーザーを用いた点群測量が追加されました。おかげさまで弊社が提供しているドローン搭載型の「FLIGHTS SCAN」シリーズも、広範囲を短時間で高精度に計測できるとご評価いただき、多くの建設コンサルタント様や測量設計会社様での導入が進んでいます。 しかしながら空からの計測では、現場環境や被計測対象の形状によってデータ取得が困難な箇所が生まれます。地上レーザーやMMSでも同様です。そういった広範囲を得意とする機器が不得意な箇所の補測の必要性に応えられるのがハンドヘルド型レーザースキャナーです。手に持って歩くだけで手軽に補測したい箇所をスキャンできます。なお、2022年には「LidarSLAM技術を用いた公共測量マニュアル」が公開され、当該マニュアルに従うことで、ハンドヘルドLiDARのようなSLAM技術を用いた機器を公共測量に利用できるようになりました。 今回、弊社がリリースした「FLIGHTS SCAN HANDY」は、”広範囲向け計測機器の補完的な役割を担うハンドヘルド型レーザースキャナー”という位置付けとして最適と考えられる性能や価格の設計を行っています。もちろん従来のFLIGHTS SCANシリーズ同様にご利用者様にとっての使い勝手の良さにもこだわりました。 「FLIGHTS SCAN HANDY」が、計測・測量業務に携わる皆様の生産性向上の一助となれば幸いです。

FAQ

Q

利用方法についての講習はありますか?

はい。ご購入いただいた商品構成に合わせた納品講習を行っております。
商品の取り扱いや計測時の注意点、データの解析方法など、「製品を効果的にご活用いただく」ための講習プログラムをご用意しております。

Q

点群への着色は可能ですか?

可能です。点群に着色するためのRGBカメラを標準搭載しております。

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