この記事は2025.09.30時点の情報です。
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「空のプロ」が直面した、新たな“地上の壁”

経験豊富なプロだからこそ、見えていた課題
セスナからドローンへ。日本海測量設計様は、長年にわたり空からの計測を極めてきた、まさに「空のプロ」です。4〜5年にわたるドローン写真測量の豊富な経験から、上空からのデータだけでは捉えきれない“影”の部分が存在することを熟知されていました。
そのため、2024年にドローン搭載型LiDAR「FLIGHTS SCAN」を導入し点群データを扱う中で、その「穴」が、より切実な課題として改めて浮かび上がってきたと言います。
測量部を率いる田中部長は、その課題を次のように語ります。
「ドローンではどうしても、ちょっとした木の下や建物の軒下といった部分の地表面データが取得できません。作業中に現場を横切る車両や通行人がノイズとなり、後処理で時間を要することもありました。」
既存の解決策が抱えるジレンマ
ドローンレーザー測量による、絶大な業務効率化の恩恵を最大限に引き出すには、この「穴」を埋める作業が不可欠でした。
しかし、既存の解決策にはジレンマが伴います。地上型レーザーは高価で“機動性”に欠け、従来通りのトータルステーションでは2名体制が必須となり、時間と人的コストが重くのしかかります。
「ドローンで効率化した分を、地上作業が相殺してしまう」。そんなもどかしさを解決する、全く新しい選択肢が必要だったのです。

出典:日本海測量設計株式会社
決め手は「価格」と「手軽さ」、そして「信頼」

そんな閉塞感を打ち破るきっかけとなったのが、ハンドヘルド型レーザースキャナーの存在。歩きながら、一人で、手軽にデータを取得できるという、ドローンレーザー測量の課題を解決する、まさに理想的なソリューションに見えたようです。
「展示会でさまざまなハンドヘルド型レーザースキャナーを見ましたが、当時は高価でした。手軽さが魅力なのに、導入のハードルが高い。
もう少し手頃で良いものが出るまで様子を見よう、と感じていた時に、代理店さんからFLIGHTS SCAN HANDYを提案されたのです。」
と当時を振り返る田中部長。
手の届く価格。ドローンレーザー測量の補完という目的に対して十分な性能。そして何より、同社がすでに導入し現場に投入しているドローン搭載型LiDAR「FLIGHTS SCAN」と同じメーカーが提供する製品であるという事実が、最後の決め手となったと言います。
「ドローンとハンドヘルド、両方の機材について一元的にサポートしてもらえる、何かあっても相談しやすい。そう思って、同じメーカーのものを購入しようと思いました。」(田中部長)
新しい機材の導入には、操作の習熟や予期せぬトラブルがつきもの。その際に気軽に相談でき、迅速に対応してくれるサポートの存在は、日々の業務を止めないための生命線となります。日本海測量設計様は、FLIGHTS SCANの運用を通じて、そのサポート体制の質と安心感をすでに経験されていました。
未知のメーカーのサポートに一から期待するのではなく、“すでに知っている信頼”を取る。それが、今回の機材選定における最大の決め手だったようです。
さらなる「現場改革」に1歩ずつ、歩みはじめる

FLIGHTS SCAN HANDYが現場に投入されてから、現在までの活用状況について、日々現場に立つ山崎技師は次のように話します。
「慣れるためにもFLIGHTS SCAN HANDYを積極的に現場に投入しています。
少しずつですが、FLIGHTS SCANで広範囲のデータを取得し、その“穴”をFLIGHTS SCAN HANDYで埋める、というスタイルでの利用をはじめています。」
導入後の3〜4ヶ月間、すでに月1回以上のペースでFLIGHTS SCAN HANDYを現場に持ち出していると言います。
導入前のイメージ通り、一人で歩きながらデータを取れる“手軽さ”はすでに実感されているご様子でしたが、運用においてはまだ、新たな学びも必要と感じるそうです。
「データ量に合わせた高性能なPCの選定、スキャンのコツなど、まだ習熟すべき点は多いです。」(山崎技師)
あくまで本格的な運用に向けた準備期間であると、お二方は話します。同社の挑戦は、万全のサポート体制のもと、これからも続きます。

地域の測量の未来を、自分たちの手で切り拓く

日本海測量設計様が見据えるのは、単なる自社の業務効率化に留まりません。FLIGHTS SCAN HANDYを使いこなした先には、地元・富山県での3次元データ活用を進め、次世代の測量へと現場を変えていくという熱い想いが感じられました。
「ドローンレーザー測量も、急斜面での安全性の確保などを理由にこちらから提案して、現場に導入してきました。
FLIGHTS SCAN HANDYも積極的な営業活動を通じて、富山県内での3次元データの活用の実績を1件でも多く積み上げていきたいと考えています。」(山崎技師)
FLIGHTS SCANもFLIGHTS SCAN HANDYも、現場での本格的な活用には一定の費用や時間を要します。それでも、これらの製品を“持っていること”“使えること”は、営業の強力な武器となり、売り上げアップはもちろん、その地域の測量のあり方を一歩、未来へと進めてくれます。
その未来を実現するため、同社は現在の「ドローン搭載型LiDARの補完」という役割に留まらず、FLIGHTS SCAN HANDYのさらなる活用シーンを模索しています。田中部長は、その具体的な展望を次のように語ります。
「将来的には、簡易的な地形測量ならFLIGHTS SCAN HANDY単体での活用も見込んでいます。」
その手軽さゆえに、用途はひとつではありません。
「これは、あの作業にも使えるかもしれない」
そんな現場での気づきと積極的な試行錯誤こそが、機材のポテンシャルを最大限に引き出し、業務全体の効率化を加速させていくのでしょう。
「測量会社に頼っていた」そんな企業にもおすすめ

価格と十分な性能、サポートの安心感からFLIGHTS SCAN HANDYを選び、ご利用いただいている日本海測量設計様。最後に「FLIGHTS SCAN HANDYはどのような企業におすすめできる商品か?」と尋ねたところ、田中部長は次のように語ってくださいました。
「測量会社はもちろんですが、設計会社さんや地質調査会社さんなどの他業種にとっても良い商品かもしれません。
『少しだけ地形データが欲しい』
『ボーリング調査の位置を出すために簡易的な測量がしたい』
といった、これまでは測量会社に外注していた軽微な測量を、手軽かつ低コストで内製化したいと考えている会社にとっては最適なのではないでしょうか。」
まとめ
ドローンレーザー測量の死角を的確に補い、効率化という大きな課題に真摯に取り組む、日本海測量設計株式会社様のお話をご紹介しました。
みなさまの現場でも「もう少し手軽にデータを補完したい」「測量作業を少人数で行いたい」といったお悩みはありませんか。
FLIGHTS SCAN HANDYは、全国の測量・計測に関わる企業様の課題解決はもちろん、「ここをちょっとだけ計りたい」という些細なご要望にもきっとお応えします。ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。