この記事は2024.04.12時点の情報です。
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早期に3D計測に着目、地上レーザーを導入
セスナ機による写真測量を行い、得られたデータから図面を作るという事業をメインに行っているフリースケール様。5年ほど前から”今後は3次元計測が普及する”と言われていたことから、ものづくり補助金でいち早く地上レーザーを導入されました。
公共と民間の仕事をおよそ半分ずつ行うというフリースケール様。地上レーザー導入後の2020年頃、民間のソーラーパネル関連の業務に対応すべく、同じ補助金で1台めのドローン搭載型LiDAR(他社製)を導入されました。
「当時、民間では山地の測量を必要とするソーラーパネル事業に関するお仕事が多くありました。ドローンレーザー測量なら山地を含め多くの場面で業務の効率化ができると考え、1台めの製品を導入しました。」
結果として当初の見込み通り、人が立ち入りにくく広範囲な山中の計測において省人化、省力化を実現。対空標識の設置の手間も省けたというメリットもあったそうです。
公共測量でのドローンレーザー測量で感じた「課題」
早い段階で1台めのドローン搭載型LiDARを所有し、民間の測量案件において運用実績を重ね、導入成果も得られたフリースケール様。しかし、公共測量での利用には課題が出てきたそうです。
「1台めの導入目的は、民間の測量における効率化でした。しかし徐々に”ドローン搭載型LiDARを持っているなら、公共測量でも使ってほしい”と、公共測量におけるドローンレーザー測量の実施をご期待いただくようになりました。
本来は公共測量に対応する性能の製品ではなかったのですが、業務負荷はとても高いものの、やり方次第ではその機材でも実施できるため、2年間ほど対応しました。お客様のご要望を断るわけにもいかないため、負担は大きいもののどうにか乗り切っていた、というのが実情です。」
公共測量への利用で従業員の皆さんが苦労される姿を見て、買替えの必要性を感じていた竹内様。公共測量の大きな仕事が決まったタイミングで、具体的な買替えを検討し始めたとのことです。
2台め選びで重視した公共測量対応と「解析の自由度」
待ち受ける大型の公共測量案件での業務負荷軽減を目指して、2台めの選定を始めたフリースケール様。すでに運用ノウハウのあったフリースケール様が、2台めの製品購入にあたって重視したのは下記の3つの条件だったと話します。
1,000万円以下であること
導入にあたり、いろいろなドローン搭載型LiDARの価格相場を調査したという竹内様。最終的な予算として、1台めの製品と同等の1,000万円以下という基準を設けたと言います。地上レーザーや1台めのドローン搭載型LiDAR導入時には補助金を活用しましたが、今回はすでに案件の開始時期が迫っていたため活用されませんでした。
FLIGHTS SCANももちろん、高性能ながら予算に収まる低価格を実現しているため、候補となったとのことです。
公共測量に対応し、効率化ができること
「公共測量では、データ取得後の解析から書類を作成する作業が非常に大変。1台めの製品ではこの作業に、多い時で数日間もの時間がかかりました。」
1台めでの公共測量への対応に苦労をされ、2台め導入の理由でもあった「公共測量での業務負荷の軽減、効率化」。フリースケール様にとってこれが非常に重要だったため、公共測量に対応するスペックを備え、作業の工数を削減できることを指標としました。
予算内で”公共測量対応”をうたう製品はいくつかあったため、さらにそのほかの条件を追加して候補を絞り込み、比較検討をすすめたそう。FLIGHTS SCANは国土地理院「UAV搭載型レーザスキャナを用いた公共測量マニュアル(案)」の基準に準拠していることから、候補となったようです。
自社で解析ができること
公共測量水準の性能を持ついくつかの製品を調べる中で、竹内様は「データ解析を自分たちで行えること」を重視したと言います。
「一部製品は解析をユーザーが行うのではなく、メーカーへ委託する必要がありました。このような外部へ委託する形は、私たちにとって望ましいものではありませんでした。
理由は“自分たちで納期をコントロールできないこと”に加え、“お客様に対して自身が理屈を理解し、説明できなければならない”と考えているからです。
私たちは常にスピード感をとても大切にしていますし、どういった処理がされたかわからない”他人が完成させたデータ”のみを受け取ってお客様に納品するということは、非常に怖いと感じます。」
フリースケール様は公共測量において主に下請けの立場になるため、自分たちで納期をコントロールしたり、リアルタイムで状況を把握できない状態はリスクであると感じるそうです。また、自分たちで解析し理屈を理解した上でお客様へ説明し、同時にノウハウを蓄積することも重要であるとのこと考えていらっしゃるそう。
このような理由から「解析作業を自分たちで行えること」をひとつの選定基準としたそうです。FLIGHTS SCANの場合、解析作業を外部へ委託する必要なく作業の内製化ができるため、この点をクリアしていました。
実演会での説得力のある説明が購入の決め手に
非常にスピーディーに購入のご決断をいただいたフリースケール様ですが、FLIGHTS SCANの決め手をこうお話ししてくださいました。
「1番の購入の決め手は、実演会での加塩さん(FLIGHTS 執行役員、FLIGHTS SCAN開発責任者)の説明です。すごくわかりやすかった。私も同席したほかの担当者も、“なぜFLIGHTS SCANはほかの製品とくらべて精度がいいのか”が非常に良く理解できました。
あの説明を聞いたことで、これにしよう!と購入を決断しました。」
当社は全国で順次、実演会を開催。データ取得から解析の様子などをご紹介しております。実演会で担当者から直接説明を受け、実際のデータのサンプルを見たことで、他社製品との違いや製品の良さがより深く理解できたと言います。
その結果、精度の良さやその理由をご納得の上で「FLIGHTS SCAN XT32」をお選びいただきました。加えて今回は特にお急ぎだったという背景から、お問い合わせから納品までの期間がおよそ1か月であったことも、大変ご好評いただきました。
後処理工数2/3削減、スピーディな公共測量の実現へ
納品後1ヶ月時点でのインタビューにも関わらず、すでに5ヶ所以上の現場でFLIGHTS SCANを使用されたと言う竹内様。事前に期待されていた後処理工程における導入成果を実感されているとのことです。
「データの後処理から書類作成のコストが以前とは全然違います。およそ3分の1以下だと思います。」
従来製品で苦労していた作業工程での負担軽減の実現をうれしそうに語る竹内様。さらに、色付け作業も楽になったと言います。
「色付け作業も、従来製品とはかなり違います。公共測量では色付け自体は義務ではないはずですが、実際には色が付いていることが当たり前のようになっています。従来製品は機能上、色を付けることができませんでした。色付けのために別途ドローンに可視光カメラを搭載して飛行させる必要があったので、すごく大変でした。
FLIGHTS SCANなら一度に色付けのためのデータも取得できるので、かなり楽になりました。」
さらにデータの厚みについても、従来製品は10cm以上になってしまうこともあり、適切な範囲まで削る作業にも時間を要したと言います。FLIGHTS SCANは慣性航法システムの性能の良さから、コース間のズレも少なく、データの厚みも薄いのが特徴。この点においても作業時間の削減が実現し、効率化に貢献することができました。
まとめ
今回は、すでに1台のドローン搭載型LiDARを保有されていたフリースケール様が、その知見をもとに新たにFLIGHTS SCANをお選びいただいた経緯などお聞きしました。納品から1ヶ月にもかかわらず、すでに後処理の工数を削減し従業員の方々の負担軽減を実現できているとのこと。弊社も大変うれしく感じております。
フリースケール様のお話は、同じようにドローン搭載型LiDARを導入済みの企業様にとっても、今後の買替えの参考になるのではないでしょうか。機材えらびには、予算や利用目的に合わせた性能を有することはもちろん、解析を誰がするのかなど業務フローの確認も重要であるとのことでした。
長野県に拠点を置くフリースケール様は、冬季には雪に見舞われ、現場作業ができる日数は非常に限られます。限られた時間の中で納期を守り品質を維持するには「スピード感がとても大切」と竹内様は話します。最新の機材や技術をいち早く取り入れることでも、大切なお客様のご要望に日々お応えしていらっしゃるご様子でした。
国の方針からも、3次元計測が今後ますます普及してゆくと考えられる昨今。少しでも早く取り入れたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。当社では、フリースケール様のようにスピード感を大切に事業に取り組む企業様もご満足いただけるサポート体制を、今後もより一層強化してまいります。