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「測量会社の即戦力」はこう選ばれる。プロが語る、機材選定の3つの視点/北陸航測株式会社様

POST: 2025.09.25 UPDATE: 2025.09.25

富山県高岡市に拠点を置く北陸航測株式会社様は、測量設計から遺跡調査まで幅広い分野を手掛けるプロフェッショナルです。社長自らドローンを操縦するなど新しい技術の導入に積極的で、近年は能登半島地震の災害復旧にも尽力されています。 同社ではドローン搭載型LiDAR「FLIGHTS SCAN」に続き、2025年春にハンドヘルド型レーザースキャナーの「FLIGHTS SCAN HANDY」を導入されました。 今回は、遺跡調査担当の宝田様と測量担当の林様に、人手不足が叫ばれる現代の測量現場において、プロがどのような基準で「即戦力」となる機材を導入し、いかにして現場の生産性を向上させているのか、その核心に迫りました。

この記事は2025.09.25時点の情報です。

ドローンレーザー測量の強みの最大化を目指して

ドローン搭載型LiDAR FLIGHTS SCANを搭載したMatrice 300 RTK飛行の様子

同社は早期よりドローンレーザー測量を行い、広範囲の測量における効率化を実現してきましたが、その一方で新たな課題も生まれていたと伺いました。

「ドローンレーザー測量は非常に強力ですが、木々が密集したエリアや建物の軒下といった物理的な死角までは、どうしてもデータを取りきれません。その数パーセントの未取得エリアを補完するために地上型レーザースキャナーを持ち出すと、せっかくドローンで短縮した時間が相殺されてしまう。このジレンマが常にありました。」(林様)

また、遺跡調査の現場では別の観点から、より効率的な手法が求められていました。

「真夏の遺跡調査は、現場に木陰もなく過酷です。作業員の熱中症対策といった安全確保のためにも、現場作業は短時間で済ませたいと考えていました。」(宝田様)

ドローンの強みを最大化しつつ、現場作業をより安全・効率的にする「もう一歩」のソリューションがあれば……。そんな想いが、FLIGHTS SCAN HANDY導入の背景にありました。

解決の糸口は、信頼するパートナーからの提案

課題解決のきっかけは、長年付き合いのある販売代理店からのご紹介でした。同社が抱える課題に対し、FLIGHTS SCAN HANDYが有効な一手になるのでは、と提案を受けたと言います。

その紹介を受け、後日、実際に製品を試す機会を得たことが導入へとつながりました。

スペックだけじゃない、「即戦力」を見極める3つの視点

数あるハンドヘルド型レーザースキャナーの中から、なぜFLIGHTS SCAN HANDYを選んだのでしょうか。

同社が重視したのは「導入後、いかに早く現場の戦力になるか」。 機材が「即戦力」となり得るかを見極めるためには、次のような3つの視点があったと言います。

現場で本当に「使える」か?デモで体感した明らかな実用性

まずは、現場での本当の「実用性」です。この点においてFLIGHTS SCAN HANDYは、バッテリーを含めても約1kgという軽さが際立っていました。

販売代理店によって社屋で行われたデモンストレーションで機材に触れたお二方は、その手軽さとスムーズなデータ取得性能に強く惹かれ、導入への手応えを強く感じたと言います。

会社の周りや中で実際に使ってみて『これは楽だ!』と、その手軽さにすぐに魅力を感じました。」(宝田様)

“軽さ”は、作業者への身体的負担が少なく長時間の計測を可能にするほか、足場の悪い現場での取り回しやすさや、安全性に直結します。地上型レーザースキャナーのような設置の手間なく、まさに片手で扱えるほどの軽快な機動力。実際に体験することで得られた「これなら現場で使える」「現場を変えられる」という確信が、選定の大きな理由でした。

導入後も安心、将来につながる信頼性

次に、単に製品を「どこから買うか」ではなく、「誰と」未来の業務を創っていくかという、パートナーシップの視点です。

同社と販売代理店との関係は、今回の紹介が初めてではありません。長年にわたる関係性があったからこそ、自社の業務や課題を深く理解した上での的確な提案である、という絶大な信頼がありました。

その信頼は実際に、購入後の手厚いサポート体制にも表れています。FLIGHTS SCAN HANDYの購入後には、同製品を同時期に購入したグループ会社も巻き込んだ、20人規模の講習会が開催されました。宝田様は、そのサポート力について次のように語ります。

「代理店さんとは、かなり長いお付き合いになります。導入後も、丸一日かけて講習会を開いてくださるなど、非常に親切で助かっています。」

単に機器を販売して終わりではなく、導入から現場での活用までを二人三脚で支えてくれる存在。この安心感が「これなら自信を持って投資できる」という導入への意思決定へとつながりました。

自社の“資産”を活かし、すぐに即戦力化できるか

そして3つ目の重要な視点は、今ある手元の資産を活かして“すぐ”に「戦力化できるか」という点です。

まず、ハンドヘルド型レーザースキャナーは測量会社として培ってきた「点群データを扱う知見」をそのまま活かせるという大きな利点があります。林様は「測量設計の経験があれば、取得した点群データの活用にほとんどハードルはない」と言います。

さらにFLIGHTS SCAN HANDYの場合、同社が先に導入していたドローン搭載型LiDARと同じ「FLIGHTS SCAN」シリーズであるため、解析ソフトやワークフローに一貫性を持たせられるという、システムとしての強みも兼ね備えていました。

「スキル」と「システム」という既存の資産を活かせることで、新たな学習コストを最小限に抑え、即座に戦力化できる。この導入ハードルの低さも、大きな魅力のひとつだったようです。

はじまる『ワークフロー革命』、災害現場の安全性向上も

3つの視点からFLIGHTS SCAN HANDYの導入を決定された同社。導入から3ヶ月ほど経過した時点での活用状況についてお伺いしたところ、すでに能登半島地震の被災地のひとつである輪島市の災害復旧現場で活用したと言います。

林様によると、人が立ち入りにくい谷沿いの地形(約400m)を、安全な場所を歩きながら短時間でデータ取得できたとのこと。すでに危険な場所での作業時間を劇的に短縮し、作業員の安全確保に大きく貢献しています。

現場での経験を通じて「地形が変わりやすい山間部はFLIGHTS SCAN HANDYで手軽に、高い精度が求められる構造物はトータルステーションで」というように、機材の「適材適所」の運用が確立しつつあると話します。

機材の使い分けにより、すでに現場作業の効率化・安全性の向上を実現しはじめている同社。現場を丸ごと3Dデータとして持ち帰ることで「あの箇所の情報が足りない」といった手戻りもなくなり、現場作業だけでなく業務全体の効率化を実現する未来も、そう遠くなさそうですね。

遺跡調査の常識を変えてゆく

今後の活用として、特に期待を寄せているのが遺跡調査の現場です。現場での使用を心待ちにしているご様子の宝田様は、次のように語ります。

「発掘が進み、現場が遺構の複雑な穴だらけになった時、FLIGHTS SCAN HANDYなら、その形状を覗き込むように手軽に3Dデータ化できるはずです。従来の手計測が中心だった作業が効率化されるでしょう。」

FLIGHTS SCAN HANDYの軽さや機動力の高さを武器に、考古学という新たな分野でも大きな可能性を拓こうとしています。

測量会社には「即戦力」な武器となる

出典:北陸航測株式会社

最後に、どのような会社におすすめできるか尋ねたところ、「測量会社には、もってこいだと思います」と、口をそろえるお二方。

「なぜなら、我々測量会社には取得した点群データを処理し、図面や3Dモデルといった成果品に繋げるノウハウがすでにあるからです。 機器の操作は簡単なので、この知見がある会社であれば、導入におけるハードルはほぼありません。

プロがプロにすすめる理由。それは、自社の技術という”資産”を最大限に活用し、投資を最速で「即戦力」という価値に変えられるから、に他なりません。

プロの選定眼が、測量の未来を拓く

北陸航測株式会社様の事例は、プロフェッショナルが機材を選ぶ際の基準が単なるスペックではなく、「実際の使い勝手」「代理店様との信頼関係」そして、今ある知識や機材などの“資産”を無駄にせず、それらを活かして「現場ですぐに使える」という、極めて実践的な視点にあることを示しています。

「新しい機器の導入は、覚えることが多くて大変。」

その懸念は、FLIGHTS SCAN HANDYには当てはまりません。
測量会社が持つ既存のスキルこそが、この製品を低リスク・高リターンな『即戦力』な武器へと変える、最大の資産です。

この記事をお読みのあなたの会社も、そんな“資産”をすでに、たくさん持っているのではないでしょうか。

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